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宇都宮市明保野町の不動産鑑定士
営業範囲は日本全国、どこでもまいります。不動産鑑定士として活動しています。内容は日々を綴ったゆるーいブログです。
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底地の低額売買はみなし贈与!?
昨日、とあるクライアントからこのような相談を受けました。
「底地の所有者がその上の建物所有者に底地を買い取ってもらいたい、更地価格の税評価ベースから算出した底地価格よりも、かなり安い価格で売りたい。これについて税理士に「みなし贈与」ではないかと指摘された。当事者間ではその価格での売買が合意に至っているのに、また売る相手は親族ではなく第三者なのに「みなし贈与」が適用されるのですか。」
といった具合です。
「みなし贈与」とは、相続税法7条に規定されており、「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があった時における当該財産の時価との差額に相当する金額を、当該財産を譲渡した者から贈与により取得したものとみなす」という規定です。
これを読むと、第三者間の取引であればみなし贈与の認定は行われないと思うのが一般的な感覚ですが、第三者間における土地の売却に対しても譲受者側に相続税法7条を適用(つまり低額譲受の認定)した判例はあります。つまり相続税法7条を適用するに当たっては、著しく低い価額による財産の取得をして担税力が増加したと認められる状況があれば足り、売主が買主と親族関係にあるか否か等の事情は関係ない、というのが今のスタンダードな考え方です。
基本的には公正な市場を介して第三者へ売却した場合については、通常の市場価格より低額であっても課税逃れの意図はありませんので、相続税法7条の適用はないという考え方で良いと思います。しかし、市場を介しないで第三者へ売却する場合には注意が必要です。
では上記のケースの場合ですが、底地を建物所有者に買い取ってもらうのはどうでしょうか。不動産鑑定評価では底地を建物所有者が買い取るのは「限定価格」といって、そもそも市場が当事者間に限定されているので、正常な市場概念の下で形成されるであろう市場価値と乖離している場合が多いのです。そういった意味では公正な市場を介しない特定の人と言えるとも考えられるので、注意が必要だと思います。
今般は、売主は個人なので相手が法人なら売主には所得税、買主には法人税が、相手が個人なら買主に贈与税が課税されるかもしれません(でも実際の当局の見解は私もわかりません)。
いづれにせよ、売買価格が時価であることの裏付けがあることが必要であり、時価とは、客観的な交換価値です。底地の限定的な交換価値の算定は非常に難しい問題です。市場の動向とういよりも、不動産の個別性に大きく左右され、路線価とか固定資産税価格からは大きく乖離することでしょう。アドバイスとしては時価の裏付けとして、税務署から指摘された時に備えて不動産鑑定評価等、不動産鑑定士の客観的な意見をとっておいた方が良いですと申しあげておきました。

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あけぼの不動産鑑定                                        吉澤光彦

Author:あけぼの不動産鑑定  吉澤光彦
平成22年9月1日開業 51歳(既婚)
〒320-0845
栃木県宇都宮市明保野町6-34
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TEL 028-678-4693
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