道尾秀介氏の代表作。

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) (2008/07/29) 道尾 秀介 商品詳細を見る

今やミステリーの代表格へ成長、風体は今時の草食系男子といった感じですが、やっとやっと念願の直木賞も取れました。さぞかし天才肌かと思ったら、サラリーマンしながら執筆活動していた人で、高校生まで漫画しか読んだことが無かったとのこと。小説に触れてから２０年弱で直木賞、やはり天才です。自分より年下の若い作家さんの作品をこうして何作も読むようになった自分は、年とったものだなあと思います。小説家の先生は長い間ずっと年上でしたから。
東野圭吾が計算されつくされたミステリーなら、道尾は「ほのぼの人情ミステリー」とか勝手に命名しています。
この作品も少年の真相心理を鋭く描き、怖さが増し増しです。自殺した！？友達が蜘蛛になって現れるという奇想天外な設定ですが、なんとか映像化できないかなあ。
道尾ミステリーはどの作品を読んでも、この人どういう発想しているのだろうと感心させられます。おじさん作家ではありえない想像力ですよ。
ミステリーの新境地（というかこれで確立された感がありますが）に触れてみては、みなさんいかがですか？