現在、時点修正の業務を行っております。不動産鑑定業界で「時点修正」というと３年に１回の固定資産税評価に伴う業務が代表的ですが、ひとくちに「時点修正」といっても色々な業務があります。
噛み砕いていえば、一回鑑定評価した物件をいちから再び評価するのではなくて、経過期間にける価格変動を考慮して、以前の価格から現在の価格を導き出すというものです。
今回は、昨年にとある企業の遊休資産である保養所を不動産鑑定評価したのですが、継続して保有している状態（全く売れない）なので、前回の鑑定から１年余経過した現在の価格を知りたいという依頼内容です。
今回は、現地調査は不要というご依頼でした。しかしながら依頼主さんも現況がどのような状態か良くわからないということだったので、外観調査のみですが現地調査をさせていただきました（料金は現地調査に行かないという前提の価格で対応しました）。
不動産について時点修正をする場合、土地は無くなったり、毀損するということはないでしょうから、土地の時点修正というのはまあ容易です。でも建物は極端な話、無くなってしまったとか、崩れてしまったとか、知らない人が占有しているとかいう事態があると、極端に建物価格は変動してしまいます。それでも良いからと言われればそれまでですが、今回のケースは私的には建物を実際に見ないと気持ち悪いので、現地に敢えて赴いたのです。
建物は人が住んでいれば劣化は緩やかですが、使っていない資産は１年でも急激に劣化は進みます。あとは保養所が傾斜地にあったのも気になっていたからです。

ちなみに、土地は基本的に毀損しないものと申し上げましたが、東日本大震災の直後は崩落個所が多かったので、土地そのものの形状が著しく変わってしまったというケースが栃木県内でも多くありました。時点修正業務においても、基本的には現地調査をしました。

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