西加奈子著、第１５２回 直木賞受賞、２０１５年本屋大賞２位。


父の転勤により、１９７７年にイランで生まれ、エジプト・大阪で育った男性の主人公。出生年や、生まれ育った場所は作家と同じです。
ひとは持って生まれた内面と家庭とかの外的な影響を受けて、何万通りもある選択肢の中から、たった一つを選択し歩んでいき、それを踏み台にして、再びステップアップしていくという繰り返しだと思います。正解肢はありません、自分を信じるしかないのです。

文末での、又吉直樹氏の書評をここに紹介します。
生きていることを喜びと感じさせてくれる表現ほど素晴らしいものはない。
大切な人への感謝の気持ちを呼び起こす表現ほど尊いものはない。
自分の醜い部分を託せてしまう表現ほど信頼できるものはない。
自分ではない誰かの幸福を願わずにいられない表現ほど優しいものはない。
人を表現に駆り立てる表現ほどゆるぎないものはない。
「サラバ」はそんな小説だ。

お薦め度は★★★★☆（星4つ）です。

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